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依存 / 西澤保彦

匠千暁シリーズ5作目でシリーズ最長編、そして最高傑作。
初めに断っておくが、まだ読み終えて10分も経過していないので、熱く評価してしまうことを了承して欲しい。しかし、シリーズの中でも最高傑作という考えに変わりはないと断定できる。

まず、序章の20ページ。ここでまず1回逝きます。
ここから残りの600ページを止めることが誰に出来ようか・・・。

そこから散漫しては収縮してを繰り返していく物語の連鎖。本筋とは違う為、サイドストーリーには違いないのだが、サイドストーリーにも見え隠れする『自己愛』という概念。『仔羊たちの聖夜』『スコッチ・ゲーム』と前作に紐づくテーマである。全ての物語が一本の線につながるわけではないが、根底にある揺るがないそのテーマによって物語に暗さ重さを出し、そして美しい結末までを導く。

ウサコという一人称の視点から語られるわけで、それが非常に意味のあることになっている。どこか常人と違うタック&タカチ&ボアンを冷静に綴れるという点で完璧な構成。強いて難点を言うならば、それをすることによってウサコの距離感をハッキリさせたいという気持ちが全面的に出てしまい、4人での論理合戦が減ってしまっていること。また、シリーズの別名「酩酊シリーズ」と謂われる所以、酒の量。それが凄く少ない。つまり総じて言えば、主役であるタックの活躍が見事なくらい欠如しているってことだ。・・・が、そんなことは問題ではない。
この4人の信頼関係が以前までとは違うレベルに達したことが感じられる、それが物語の深みを増している。
推理小説だけでない、青春小説のような人間臭さ、恋愛小説のような駆け引きと緊張感、全てをひっくるめることが出来ているのは、シリーズへの思い入れ&ここにきて深みを出した人間関係に他ならないだろう。

なんかまとまりがなくなった文章だけど、とりあえず以前紹介したように短編も含めて始めから読まなくちゃこの物語の感動は半分も達せないだろう。うん、この物語だけ読んでも、ディティールの詰めが甘かったりと無茶なとこもあるんで駄作と感じてしまうことも有りうる・・・。。
支配欲に愛情にとテーマが辛い内容でもあるが、読後に何かを感じることが出来るはず。依存、それは思考のバランス。オススメな1冊!
★★★★★★★★★ 9本 (完読 2010.03.13)

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